うろ覚えバルドフォースプレイ記

〜外人部隊はわが祖国(レジオ・パトリオ・ノストラ)〜           

 

注意*このプレイ記はうろ覚えですので、本編と内容が著しく違う場合がございます。このプレイ記は性質上プレイしてからのほうがお楽しみに慣れると思います。

 

 

 

 

今回はパソコンゲームメーカー『戯画』が出したヒット商品『バルドフォース』

コンシューマーもされているヒット作ですね。今回はPC版です。

ロボがでたり、アクション性があったりと、事前情報からしてわくわくしてしまう代物です。

ではインスコもほどほどに早速プレイしてみましょう。

 

 


第1章  アカツキに死す

 

ネット世界における人型戦闘ツール『シュミクラム』を操り、ハッカーとして気ままに過ごしていた主人公。

しかしハッキングチーム最後の大仕事として 軍 のデータベースをターゲットに選んだことから主人公の人生は大きく動き出す。

ネット空間内での 軍 と テロ組織 の抗争に巻き込まれ、親友は主人公をかばい不慮の死を迎える・・・。

親友の形見に復讐を誓う主人公。

彼はそこから 軍 や ネット警備会社 、テロ組織の様々な人物と出会い共に戦い、あるいは敵対することになる

だが、それぞれ独立し無関係と思われた人物、エピソードは、過去に起った、ある出来事に繋がりがあったのだった・・・。

主人公は知らず知らずのうちにその繋がりを中心とした争いに深く関わり、最終的にその出来事の全貌が明らかになったとき主人公は、

愛するものを救うため、自分の存在をかけた戦いを挑むことになる・・・

 

「こんにちわ。このプレイ記を担当させていただくV.S.Sの紅一点こと月菜嬢です」

「同じく、FLAK第一小隊の良心こと透です」

「このレビュー、いきなり冒頭部分をすっ飛ばしてますが、ダイジョウなんでしょうか?」

「あんまり良くはありませんが内容としては『親友が殺されてその敵を探しに軍に入った』で終わりですからね。それに冒頭部分で管理人が印象に残ったのは、主人公の「このままじゃ血が上って頭が勃起しちゃうよ」ってセリフぐらいなものでしたし」

血が上って頭が勃起する様子

「はあ、そうですか。ではまず物語で度々登場する『シュミクラム』を紹介しましょうか」

「そうっすね(突っ込まないんだ・・・・・・)」

 

 

『シュミクラム』  ネット世界における人型戦闘用ツール。

主人公機

「ぼくの乗ってる機体ですね。手足がニョーンとして、お世辞にもかっこいいとは言いがたい容姿です。それに戦闘用にしてはどことなく頼りない雰囲気がある機体です。機動性重視なんでしょうかね?」

「自分の機体なのにボロクソ言いますね。これに乗ってテロリスト達と戦うんですよ。そんなんでいいんですか?」

「だったら軍の標準機をくれよって話ですよ! なんで俺だけハッカー時代に使ってたのを使わなきゃなんだよ! 他のみんなのはなんかゴツくていい感じなのにさ! しかもこんな白基調のカラーリングじゃ真っ先に狙われちゃうじゃん!」

「まあまあ、主人公機は目立つのが基本ですし。それにこのくらいで目立つなんて言ってちゃダメですよ。戦場で目立つにはこれくらいしなきゃ」

 

 

 

 

 

オーブの科学力は宇宙一ィィィ!!!

「戦場で目立つってのはぁぁ、こういうのを言うんだよぉぉぉ!!!」

「(キャ、キャラがぶれてる)そ、そうですよね。てかアカ○キに限らず、このシリーズはカラーリング以前にデザインがどうかと思いますがね」

「でもそんなこと言ってミリタリーな路線に行ったらお子ちゃまたちは食いついてくれませんからね。致し方ない処置なのですよ。きっとメカニックデザインの大河原さんも心を痛めているに違いありませんよ。でなけりゃあんなもん出せませんやね」

「何気にフォローした訳じゃなかったんですね」

 

 


第2章  踠く者は彩音

 

 

 

「さあっ!今回もまた性懲りも無くはじめちゃいましょー!」

「なんかテンション高いですね。いいことでもあったんですか?」

「実は今日V.S.Sの給料日なんですよ♪ がんばって不正アクセスかけてくるクソハカー共を脳死させてきた甲斐がありました!」

「そんな嬉々として言わなくても・・・・・・」

「それじゃ前回のおさらいしましょうか」

 

 

ネット世界における人型戦闘ツール『シュミクラム』を操り、ハッカーとして気ままに過ごしていた主人公。

しかしハッキングチーム最後の大仕事として 軍 のデータベースをターゲットに選んだことから主人公の人生は大きく動き出す。

ネット空間内での 軍 と テロ組織 の抗争に巻き込まれ、親友は主人公をかばい不慮の死を迎える・・・。

親友の形見に復讐を誓う主人公。

彼はそこから 軍 や ネット警備会社 、テロ組織の様々な人物と出会い共に戦い、あるいは敵対することになる

だが、それぞれ独立し無関係と思われた人物、エピソードは、過去に起った、ある出来事に繋がりがあったのだった・・・。

主人公は知らず知らずのうちにその繋がりを中心とした争いに深く関わり、最終的にその出来事の全貌が明らかになったとき主人公は、

愛するものを救うため、自分の存在をかけた戦いを挑むことになる・・・

「アクションあり、サスペンスあり、恋愛あり、SEXあり、やっぱエロゲはこうでなくちゃ!」

「復讐を誓って軍に入ったけど、なにやら面倒なことに巻き込まれちゃうらしいですね。そんななかでイチャイチャしろってのか」

「そうみたいですね。透さんの日和る姿が目に浮かぶようです」

「まだ日和るって決まった訳じゃないじゃないですか! 全然プレイしてないのにそういうこと言わないでくださいよ!」

「そんなに怒らないでくださいよ。いくら第一小隊に馴染めないからって」

「いや、たしかに浮いてるけどさ・・・・・・」

「じゃあ今日は透さんが所属してる第一小隊を紹介しましょうか」

「なにが「じゃあ」なのかよくわからないし、それにいつになったらストーリーを紹介するんですか」

 

八木澤  宗次

FLAK第一小隊隊長。透を第一小隊に連れてきた張本人。いつも飄々として何を考えているのか分からない。元シュミクラムパイロットらしい。

 

「ウチの隊長ですね。肝心なときに肝心なことだけ言って去っていく、いかにも「物語の重要なとこ知ってます」ってキャラですね」

「元シュミクラムパイロットということは、いつか戦うイベントがあるかもしれませんね」

 

柏木 洋介

ノリの軽い男だが、シュミクラム操縦のウデは確か

 

 

「どうみてもDQNですほんとうにありがとうございました」

「どうみても当て馬ですほんとうにありがとうございました」

 

カイラ・キルステン

快楽主義者で楽天家。その一方で思慮深い一面もあり、第一小隊の姉御的存在

 

「おちゃらけつつも姉御肌でなければならないなんて、損な役回りですね。せっかくの巨乳が台無しです」

「どうやら攻略対象でもないみたいですしね。上のDQNと同じで主人公やヒロインのフォローが主な仕事なんでしょう。かわいそうな人です」

 

紫藤 彩音

ネットテロリストを徹底的に憎んでおり、その壊滅に全てをささげている。感情を表に出さず、周囲から浮いている。

 

「第一小隊に馴染めないのは透さんだけじゃ無かったみたいですね。よかったじゃないですか。キズの舐めあいが出来ますよ」

「そんな風に言われると攻略する気無くなりますよ。それ以前にこの人敵見つけると後先考えずに突っ走っていっちゃからホント迷惑なんですよ」

 

 

 

 

グリフィィィィィス!!!

 

 

「ここまで徹底されたらむしろ助かりますけどね。それに後先考えずに突っ走るなんて、透さんより主人公に向いてるんじゃないですかこの人」

「そんな・・・・・・僕だってやるときゃやりますよ」

「やるといっても、どうせハッキングかシュミクラムでしょ?」

 「それしか能が無いみたいに言わないでくださいよ! 印象悪いじゃないですか! てかそれで十分じゃないですか!」

 

瀬川  みのり

第一小隊のオペレーター。ネット犯罪に対し断固たる姿勢をとり、パートナーである主人公を信じている。

  

「メガネ兼委員長兼ドジっ娘兼隠れ巨乳。とんでもないキャラが現れましてね。今の私でも勝てるかどうか・・・・・・」

「月菜さんならそんな心配必要ありませんよ。幼馴染なうえにV.S.Sでパイロットやってるじゃないですか」

「そうですよね。こんな初対面で馴れ馴れしくするようなキャラは敵じゃありませんよ」

「そうそう、そもそも攻略しませんし(お前はな)」

 

 

 

 

「これで第一小隊は全部ですかね? 」

「はい、これで全員です。あとの人たちはおいおい紹介するということで」

「これでやっとプレイ記に入れますね」

「そうですね。でもいつになるかわかりませんけどね♥」

 

 

 


第3章  管理人は静かに暮らしたい

 

 

 

友人の敵を討つため、FLAKに入隊した相馬。ハッカーであった相馬にとってFLAKはいわば警察のような存在。期待と不安、そして憎しみの感情が入り混じり、複雑な思いを抱えたまま、入隊手続きをするためFLAKの施設までやってきた。

 

 

「はぁ・・・・・・昨日まではハッカーだったってのに、今度はそれを捕まえる立場になるとはな」

それもこれも、親友である優哉を殺したFLAK隊員を探すため。

義務感にも似た感情が、くすぶっていた不安を覆い隠す。

「とりあえず、あの八木澤とかいうオッサンを見つけないとことには、こんな広い施設じゃ迷子になっちまう」

見たことも無い施設の様子に、キョロキョロと辺りを窺いながら進む相馬。軽く不審者の気がある。

「あぶな〜〜〜〜〜い!」

「え!?」

突然の大声に驚く相馬。反応しきれず、女性に体当たりされる形となった。

 

 

 

 

 

 

 

「うげっぐあっ〜〜〜〜〜!!」

「ツケの、領収書だぜ」

バーーーーーーーン

 

第3部  完

 

 

 

 

 

 

 

 

「見事なまでに横道に逸れましたね。全然レビューになってませんよ」

「いかんせんうろ覚えですからね。もう入隊時のやりとり覚えてないんですよ。ぶっちゃけ公式サイトに載ってたやつで十分だし」

「ちょwwwそれってレビューする気ないって言ってるようなもんじゃないですか! じゃあこのサイトはなんのためにあるんですか!」

「ではそこんところをこの際はっきりさせましょうか」

「ども、ここの管理人です。名前はまだありません」

「「なんか変なのキターーーーー!!!」」

 

「変なのとか言うな! お気に入りのキャラなんだぞ!」

「変なもんは変ですよ。てかずいぶんちゃんとしたアイコンですね」

「ぼくらのアイコンとはえらい違いですよ。こちとらサイトから切り抜かれたものだし、大きさもまちまちだし」

「それに関しては弁解のしようもございません。で、このサイトの存在意義というテーマでしたね」

「そうです。この際日本人らしくガトゥンと言っちゃってください」

「そうですね、ぶっちゃけ僕の大好きなレビューサイト『土葬』さんとこのパクリです」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「もっと言えば、柳にドジョウが集まる場所にさっそうと現れたもう一人の柳!! 内容から文体まで臆面無く似せてあって迷惑以外の何者でもない!! それがこのサイトです

 

 

 

「まあ、土葬ほどコンテンツは多くありませんけどね」

 

 

 

ドボオオオオオオオオオ

 

「むしろページとして成り立たないくらい何も無いじゃないですか」

 

 

 

 

ブシュウーーーッ

 

「グハッ、えらい言われ様ですが、返す言葉もありません。今後がんばっていきますので、勘弁してください」

「仕方ありませんね。今日のところはこのくらいにしておきましょうか」

「そんなことよりプレイ記進めましょうよ」

 

 

 

「うぅ、初登場なのに私の扱いヒドいです・・・・・・」

 

    


第4章  見俺必殺 

 

 

いろいろとゴタゴタしたが、無事に入隊を済ました相馬。

 

「ま、ここは外人部隊みたいなもんだ。規律もゆるいが出世もしない。気楽にやれや」

相馬と瀬川を置いて、隊長は去っていった。八木澤の軍人らしからぬ態度に、相馬は肩透かしを食らった気分だった。

「あの、ウチの隊長チョット変わってますけど、根はいい人なんです」

「チョット・・・・・・ね」

「・・・・・・あの、これから食堂に行きませんか? 今なら第一小隊のみんなもいるはずですし」

「じゃあ、案内してくれ」

 

 

 

食堂には二人の男女がいた。明らかに軽そうな男と、こちらに気づかず黙々と本を読んでる女。

「みなさん癖は強いですけど、いい人たちですから」

「(あえて「いい人たち」ってフォローしなくちゃならないような連中ってことか)」

さっきからいちいち瀬川の揚げ足をとる相馬。しかも勝手に落ち込んでるようだ。

「こちらは今日から第一小隊に配属になった相馬透さんです」

「相馬透です。よろしく」

 

「透? もしかして、『ステッペン・ウルフ』のトオルか? 俺は『ナッツ・クラッカー』のヨースケって言えば、聞いたことはあるだろ」

『ナッツ・クラッカー』ってネーミングどうなんよと思うが、こちらも『ステッペン・ウルフ』なんて言ってしまっているので、これに関してはどっこいどっこいだ。

「ごめん。聞いたことない」

 

「そう・・・か。ははっ、俺って意外とマイナーだったんだな。俺は柏木洋介。よろしくな」

 

ショック! ヨースケショック! 思わず乾いた笑いが飛び出します(多分

全然意外じゃないけどな、とか追い討ちをかけるのかと思ったらそこんとこは軽くスルーした相馬。何気に人間が出来ています。

 

「おい彩音。お前も挨拶したらどうだ」

洋介に促され、本を読んでいた女が挨拶してきた。

「紫藤彩音・・・・・・よろしく」

・・・・・・なんと簡潔な。いやむしろナッツクラッカーがうざかったのだ。挨拶なんてこんなもんでいい。自分がやられたらムカつくけど。

 挨拶し終わると、綾音はまた読書に没頭し始めた。これでメガネをかけていたら危うく俺の嫁確定だった。

 

「(なんなんだ? このだらけた雰囲気は? こいつらホントに軍人か?)」

そういうお前は犯罪者だけどな、と言いたい所をぐっと抑えます。遊び感覚で犯罪に手を染めていた人間にしては常識的な思考です。おそらくミスター死亡フラグ優哉さまによる教育の賜物でしょう。

「というわけで今日は透の歓迎パーティーだ。彩音、お前も付き合えよ」

「私用事があるから」

「アーー! 洋介さん、そのお酒どこから持ってきたんですか?」

「酒保のねーちゃんにもらってきたんだ。俺が頼めばこれくらいわけないさ」

 

「よっ、このFLAK一のスケコマシ!」

 なんともフレンドリーな雰囲気だが、さっきから綾音のことが気になってしょうがない。「用事」といっていたが、これ明らかに口からデマカセだろ。要するに「てめぇなんかの歓迎会なんかに行くくらいなら部屋で本読んでるほうが一兆倍マシだm9(^Д^)プギャー」と言ってるんだろうな。この人には協調性の欠片も見出せません。でも、だとしたら何故食堂で洋介やカイラと一緒だったんだろう?

食堂で本読んでたってことは少なくとも食事は終わっているか、端から食事していなかったかだろう。こんなに協調性無いんだから飯食ったら部屋戻ればヨロシ。端から食事してないのなら部屋いればヨロシ。てかずっと部屋いればヨロシ。もうひきこもればヨロシ。

それとも「お昼はみんなで食べましょう。お部屋に持ち込んで食べてはいけません」とかいうある意味ユルい規律がFLAKにはあるのだろうか? そのうえ親睦を深めるために「お昼を食べ終わったら、食堂に残って班のみんなとお話しましょう」とかいう小学生でも辟易しそうな規律もついでに存在しているのかもしれない。人付き合いが下手な人にとっては地獄のような場所だ。相馬がFLAKを「地獄のような」と形容していた訳がやっとわかった。

 

「お、おい! 勝手に決めるなよ! 俺はそんな気分じゃないんだよ!」

思わず声を荒げて叫んでしまった。小隊のみんながキョトンとして目で見つめている。

なんかいきなり叫びだしましたよこいつ。これはこれはもしかしてつ い に 邪 気 眼 発 動 か

 やっぱりここは――

「てめぇらFLAKのせいで優哉が死んだんだ! この軍の犬どもめ! 走狗では私を殺せない。 化け物を殺すのはいつだって人間だ」 

ドガッ

バキッ

ボグッ

・・・・・・・

 

 

 

――とかかな。

このくらいやって頂ければ自他共に認める無敵の主人公になれますよ透さん。

 

 

食堂が静まり返る。いたたまれない空気が漂う。

 

「ご、ごめん」

その空気に苛まれ、俺は食堂を飛び出した。 

よもやここで打つ手が逃げの一手とは。勝てぬと分かった途端その危険から逃避する。空手家の鏡ですな

でもその行動のベクトルが敵討ちに向いてるかというと、どうなんだろう?

 とりあえず今は情報を集めなければならないんだから仲良くしとけばいいのに。敵討ちのためとはいえ、上辺だけの関係は作りたくないようです。

なんだかな〜。まだまだ相馬さんは

 

してないみたいですね。日和るのでは予想はあながち間違ってないのかも。

 

 

 

「今回は比較的まともなレビューですね。多少悪意を感じないでもないですが・・・・・・」

「それもこれも透さんがしっかりしないからですよ」

「だってほら、僕って友達が『スッテペン・ウルフ』のメンバーしかいなかったから、ほかの人との付き合い方がわかんないんですよ」

「なに甘っちょろいこと言ってんですか。お湯の入ったやかんパスしちゃいますよ。敵討ちたいんならそんなこと些細なもんでしょうが。いい加減腹括ってください」

「ダイジョブですって。あんな機体乗ってても一応主人公だし。なんとかなりますよ」

 

 

 

主人公が逃げ出したところで次回に続く

 

 


第5章  ヘタレの根性無し 女の様に泣きながら虫の様にくたばれ

 

 

 

前回、自分で作った場のしらけ具合に耐え切れず、いたたまれなくなったのでその場から逃げ出すという主人公にあるまじき行動を起こした相馬。

いつのまにやら中庭に出ていたようです。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・まったく、兵隊なら兵隊らしくしろよな」

木に体を預け、荒げた息を整えながら、自分に悪態をつく。

ついこのまえまで他人様のデータを盗みながら気ままに暮らしていたのだから、いきなり兵隊らしくなどできようはずもありません。むしろ兵隊なんかの対極にあるような人間だったじゃないですか。

「透・・・・・・さん」

声のほうを振り向いてみると、みのりが気まずそうな顔をして俺を見ていた。みのりの顔を正視できず、目をそらしてしまう。居たたまれなくなって逃げ出した自分の行動がちょっと恥ずかしく感じられてきた。

ちょっとどころかかなり恥ずかしいと思うんだけどな〜。「なにあいつキショ〜い」「いきなり大声あげてたわよ、こわ〜い」と、軍隊のような閉鎖的で娯楽の少ない小さな社会では、すぐに陰口を叩かれてしまうことでしょう。ただでさえ犯罪者上がりという経歴なのに、ますます居心地が悪くなりますね。

「・・・・・・ごめんなさい」

「謝ることなんか無いよ。みのりは悪くないし」

「あれでも、根はいい人たちばかりなんですよ・・・・・・ただ・・・・・・」

「ただ、ちょっと馴れ馴れしくて、ちょっと品が無いだけ・・・・・・だろ?」

「・・・・・・ごめんなさい」

気が動転してるのか、まるで子供みたいな悪態をついてくる相馬。みのりが萎縮しきってます。

「俺のほうこそごめん。ただ・・・・・・昨日までFLAKは敵だったんだ。すぐに仲良くしろって言われたって・・・・・・」

みのりの優しい雰囲気に、つい本音を漏らしてしまう。FLAK隊員のみのりとしては、そんなこと言われたって困ってしまうというものだ。

「それが・・・・・・普通だと思います」

え? 普通なの? でもそれって一体なにを指して普通って言ってるんだろう? 相馬の悩みがか? それとも犯罪者が入隊することがか? 確かに経歴問わないのは外人部隊っぽいけど、あるいはその両方か? なかなか意味深な発言です。

「みんな・・・・・・最初はそうだったみたいですから」

どうやら相馬の悩みが普通らしい。FLAKでは誰もが通る道のようだ。

「みんな、それぞれ何か事情を抱えているんです。透さんのように昨日まで追われる立場だった人も多いみたいだし」

セリフから察するに、FLAKでは有能なハカーはその経歴を問わず青田買されてるのか。即戦力としては申し分ないだろうけど、組織内部の治安が悪くなるだろうから、あんまやらないほうがいいと思います。実際相馬はFLAKを恨んで入ってきたわけですし。

「だから、入隊してくる人は最初緊張してて・・・・・・」

「だからわざと友好的に振舞うのか」

 

 

 

「許してあげてください。あれがあの人たちの精一杯の好意の表現なんです」

なにげに瀬川さん冷たいこと言いますね。「あいつらのやることなんて、あれが限界っすよwwww」って言ってる気がする。たぶん瀬川さんは内に溜め込むタイプだからなおさらそんなことを考えてそうだ。絶対そうだ

「許すも許さないもないよ。俺も調子が狂ってただけだから・・・・・・」

 

 

調子狂ってます

 

「・・・・・・よかった」

そのとき、聞きなれない警報のような音が鳴り響いた。

「透さん、作戦室に急ぎましょう。緊急招集です」

俺はみのりに案内される形で、作戦室に急いだ。


 

敵はデータ盗賊らしい。すでに市民にも被害者が出ている。現在は構造体内部に篭城中。

作戦は紫藤と柏木が敵をいぶりだし、キルステンと相馬が出てくる敵を待ち伏せるというものだ。

まだ軍での訓練を受けてない相馬だが、そこは即戦力として雇われたのだからそんなこといっていられない。

早速首にコードをぶち込み、シュミクラムへと乗り込む。

「第一小隊、突入してください」

「了解! 突入完了。こいつら素人だ。いけるぜ」

構造体内部から激しい銃撃音が聞こえる。すでに戦闘が始まったようだ。

「3機そっちにいった。あとはまかせたぞ」

「了解! 行くよ透」

とうとう俺が軍人になって最初の戦闘が始まった。

 

「うおおりゃーー」

発進!

 

「バズーカでも食らえこのクソハカーどもが!」

 

 

「トリガーーーーーーハァァァァッピィィィィィィィ」

 

 

「ちょwwww横から殴るなwwww今俺はこいつの相手をしてるの!」

 

「おっしゃーー必殺」

 キュピーーーン

 

 

スカッ

 

「てめwww肝心なとこで避けんなバカwww」

 

 

 

ボカーーーン

 

「え? もう終わり? 俺まだ2機しか倒してないよ。敵3機じゃなかたっけ?」

「作戦終了です。帰還してください。透さん、お疲れ様でした」

「え? あ・・・・・・うん」

離脱コードに従い、俺の意識が生身の体へと戻っていく。

 こうして俺の初陣は終わった。

 

――ログアウト――

 

 


第6章  ワルキューレの城

 

 

・・・・・・こうして入隊直後の数週間が過ぎていった。

優哉さまの仇を探すべく、休日を利用してほかの隊員から情報を集める相馬。

とりあえず与し易そうな瀬川から情報を聞き出すべく、彼女を食事に誘った。

 

 

「(これはデートじゃないこれはデートじゃないこれはデートじゃないこれはデートじゃない

これはデートじゃないこれはデートじゃないこれはデートじゃないこれはデートじゃない・・・・・・)」

仲間を疑うことの罪悪感からか、そんなことを自分に言い聞かす相馬。まだ割り切れてないようです。

「なんだかワイルドなお店ですね」

「昔のいきつけなんだ。ここぐらいしか知らないもんだから・・・・・・」

どうやら相馬はハカーだったころの溜り場に連れてきてしまったようです。ということは友達は優哉さまや月菜だけじゃ無かったのか。よかったよかった。

場所のミスセッティングにも関わらず、俺たちは世間話で盛り上がる。

「舌に合うかな? なんならほかの店でも・・・・・・」

「ダイジョブです。なんだか変わってておもしろいお店ですね」

「そういってくれると助かるよ」

そうは言っているが、本当のところ瀬川はこんな犯罪者共の溜り場に連れてこられて

と言いたい事でしょう。俺だっていやだ。

 

 

「・・・・・・どうかしました?」

「いや・・・・・・なんでもないよ」

俺はデートに来たわけじゃないんだ。俺は気を引き締め、肝心なことを聞き始める。

「あのさ・・・・・・軍の基地がハッキングされたことって無いのかい?」

 俺はカマをかけてみる。みのりは世間話の延長で答えてくれた。てかこんな話題が延長線上にある世間話ってなんかやだな

 「悪戯や未遂なら数え切れないほどありますよ。でも実際に潜入されたのはここ一年で・・・・・・そう、一回だけですね」

・・・・・・ビンゴ。大当たりだぜ

俺は小躍りしたい気持ちを抑えて、もう少し深く突っ込んでみた

 

「それってどんな連中だったんだい?」

「テロリストだったはずですよ。反チップ主義者同盟の武装集団だったと思います。たしかハッカーの子達も巻き込んで、結構な騒ぎになったらしくて・・・・・・」

みのりは平然と答える。やはり、俺がその『巻き込まれたハッカー』だとは知らないようだ。

「それってさ、第一小隊も出撃したのかい!?」

エクペラメイションにクエスチョンまでつけて、相馬の慌てぶりが伝わってきます。

 

「え?・・・・・・ええ、たしか・・・・・・」

「だったら、そのハッカーと交戦したのって第一小隊の誰かだったとか・・・・・・?」

・・・・・・もう一息で第一小隊に優哉の仇がいるかどうかがはっきりする。俺は息を呑んでみのりの返答を待ち受ける。

相馬焦りスギ焦りスギ。でも優哉さまの仇を討とうという思いに関しては

 

 

「それは・・・・・・わかりません」

「わからないって・・・・・・どうして!?」

そうだ! 食い下がれ相馬! ここはもう迫力で突っ切れ!

 

「ごめんなさい。あの事件のころ、私、事情があって基地を離れてましたから・・・・・・」

みのりは戸惑いながら答え、俺は熱くなりすぎてる自分に気づく。

「ごめん・・・・・・つい。あやまるよ、許してくれ・・・・・・」

 

 

みのりが気を使って、話を違う方向に持っていってくれる。

「でも、本当に問題があるのは外からじゃなくて中からのハッキングかもしれません」

「中から・・・・・・?」

「ええ、情報室を勝手に使ってる人がいるみたいで・・・・・・」

「情報室?」

「ええ、情報検索用の部屋ですけど・・・・・・知りませんでした?」

「初耳だな。ひょっとしてそこから軍のデータベースにアクセスできるのか?」

「はい。軍のデータはこの基地に置かれていますから」

その情報室ってのは誰でも使えるのかい?」

「アクセスには許可が必要ですけど、部屋自体は誰でも入室可能です」

「その許可ってのは?」

「普通は上司の許可が必要なんです。ただ、隊員にはレベル1のアクセスキーが与えられています」

「そうか、基本的なアクセスは俺でも可能ということか」

「ええ、まあ・・・・・・そうですけど」

「たしかにそれじゃあ、ハッキングを仕掛けるのも簡単そうだな」

相馬の発言が不穏さをさらに増しました。熱くなってる自分に気づきはしても直す気は無いようです。

もう相馬は止まりません。優哉さまの仇を討つべくさらに問い詰めます。

 

「なあ、レベル1のアクセスってどのくらいのことを調べられるんだ?」

「わ、わかりませんよ。調べたことありませんから・・・・・・」

「じゃあ隊員の経歴とか過去の出来事とかは?」

「そんなの調べられるわけ無いじゃないですか!!」

「そうか・・・・・・」

「あの・・・・・・話題変えませんか?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・  

 

 

「その情報室ってのは人の出入りが激しいのかい?」

瀬川の提案を華麗にスルーする相馬。なにがなんでも情報室の話題から遠ざかる気はありません

「それなりに多いですけど、真夜中はほとんど人がいません・・・・・・」

「そうか!!」

これはもう忍び込めと言ってる様なもんだぜ!!

 

「ありがとう! 今日はいい話が聞けたよ!!」

早く情報室にアクセスしたい。そんな思いに身を任せ、俺は席を立ち上がる。

「・・・・・・いいえ。どういたしまして・・・・・・」

沈んだ声にわれに返ると、みのりはいじけきった表情でじっとテーブルを見つめていた。

 

 

 

 

ここで選択肢

1、基地に戻る

2、もうすこし涼二みのりと話をする

 

 

もう瀬川と話すのも飽きたのでこれ以上瀬川傷つけるわけにはいかないし、なんか雰囲気も悪いのでここは1を選択。

「じゃ!」

 

 

「・・・・・・」

フラれましたね

 

 


真夜中になるのを待ち、人の気配が途絶えたのを確認してから俺は情報室に忍び込んだ。

アクセスキーを使ってレベル1の情報を閲覧するが、やはりめぼしいことには触れられていない。

「予想GAYです」

じゃなくて、こんなことははじめからわかっていた。早速俺はダーマトロード(皮膚電極)を額に貼り付ける。携帯端末には愛用のハッキングツールが仕込んである。

「ウェブダイブ! グラディオン!」

ウェブ戦士になりきってダイブしようとしたそのとき・・・・・・

「・・・・・・なにをしているの?」

背後からいきなり声をかけられて、心臓が止まった。

「・・・・・・」

振り返ってみると、そこには彩音がいた。

「い、いや、軍の端末ってどんなのか興味あってさ、その・・・・・・ちょっといじってみたくなってさ」

「そう、ログは消しといたほうが良いわよ」

彩音は俺の存在を意に介してないようだ。明らかに「これからハックします」という格好なのだが・・・・・・

「・・・・・・あのさ」

「今忙しいの。話しかけないで」

冷たく言い放つ彩音。その手にはダマートロードが握られていた。どうやら目的は同じようだ。

「邪魔したな」

今日はもう行動を起こす気になれず、俺は情報室を後にした。

 

 


第7章 武装して掃討する  

 

 

 

「いやぁ、前回の引きはよかったな〜。シナリオもこれからが面白くなってくるんでしょうね」

「あ〜そっすね〜ふぅ・・・・・・

「試合前のアントニオ猪狩ばりに疲れてますね。どうしたんですか?」

「なんかこのごろ私の出番ないじゃないですか。シナリオにもでないし、ここにも出ないし」

「いっしょにFLAK入れればよかったんですけどね。なんで入らなかったんですか?」

「え!? いや、あの、それは・・・・・・V.S.Sのほうが給料が多いし、FLAKのしかも第一小隊ってなんか社会的地位低そうだし、ぶっちゃっけ復讐より生活のほうが大事だし

「一応メインヒロインっぽいんだから「豚のような悲鳴を上げろこの軍の犬畜生が!」ってぐらいの意気込みを見せてくださいよ」

「ちゃんと復讐はしますよ多分な」

 

 

 

なんかV.S.Sと共同でテロリストを掃討することになった第一小隊。ルートが潰れたので相馬と瀬川の間に気まずい空気が流れてます。

 

チ〜ッス・・・・・・

お、おはようございます。あの、昨日はホントすんませんっした

あ、自分気にしてないんで、ダイジョブっすよ・・・・・・

そっすか・・・・・・

 

 

相馬たちが降り立つ戦場は、事前にウイルスによる爆撃が行われており、第一小隊の主な任務は生き残りの燻りだしである。

 

 

「・・・・・・見つけた! 敵機確認!」

「あ、彩音さん!? 単独行動は危険ですよ! ドゴイグンディスカーー? 」

「ちっ、仕方ない。私は彩音のサポートにまわるわ」

「またかよ・・・・・・よろしく子守を頼むぜ」

早速彩音の単独行動スキルが発動。バーサーカーの名は伊達ではありません。主役の名に恥じぬ活躍ぶりです。

「まあ、こっちはこっちでゆっくりやろうか、相棒」

ゆっくりだとか相棒だとか言って、こっちの主役はさっそく日和っぷりを見せてくれてます。彩音さん見習ってほしいな。

 

 

途中に一回戦闘を挟み、それでテロリストは全滅したらしい。隊長に現状待機を命じられた。ナッツクラッカーの機体損傷が激しかったため、先に帰頭することになった。

一人になったのをいいことに、ほかの隊員に聞かれないよう個人回線を開いて瀬川を口説きにかかる相馬。まだルートを諦めてないようだ。

「なあ、彩音っていつもああなのか?」

「はい。スコアもトップなら問題行動もトップって感じで・・・・・・」

「長生きできないタイプなんだな・・・・・・」

「彩音さんのこと、気になるんですか?」

フィーーーーーーーーーーッシュ!!!

相馬の思惑通り釣られてしまう瀬川。典型的な貢ぐ女の雰囲気があります。

「べ、べべべ別にそんなことないわよ! ただ同僚だから気にしてるってだけじゃない! それがどうしたのよ!」

「いえ、なんとなく・・・・・・あれ? 透さん、外部から個人回線の要求が来てますよ!?」

みのりが驚くのも無理は無い。シュミクラムの個人回線は出撃ごとに変えられている。部外者がつなげるわけが無い・・・・・・らしい。

「外部から? ・・・・・・真逆と書いてまさか?」

あいにくこんな芸当が出来るやつを俺は一人しか知らない。

相馬が心当たりがあるようです。ということは既出なのか? アキラかな? 月菜さんかな? それともここへきて優哉さま復活か!?

「やあ、ひさしぶりだね、元気だった?」

 

 

・・・・・・え〜と、誰?

 

 というか顔が出てない。人かどうかも怪しい。ただ電波状況が悪いのか?

バチェラばちぇら・・・・・・って最初のほうにでてきたダミ声の生意気な人か? ようやく思い出した。

 

 

 

電脳世界でハッカー二人。

 

 

ようするに彼が言いたのはこういうことらしい。

 

1、戦う

2、戦わない

こんな選択支あって無いようなもんだ。敗北をプレゼントどころじゃないぜ!

 

 

「オラオラオラオラーーー!!!って、え!? なにそのファンネル! 強くね?」

「しかもビーム速くね? 動きも速くね?必殺技強すぎじゃね?」

 

「あれ? もう俺の機体動かないんじゃね?」

その間わずか一分。バチェラ、ベストコンディションの姿である。

 

 まるでドラクエの魔王かムエタイ選手にでもなった気分です。見事にガジャったガジャった。

 

バチャラとの戦闘を終え、基地に帰還する相馬に早速選択支が現れました。

彩音に情報室のことを

1、 聞く

2、聞かない

事なかれ主義ではいけません。やはりここは1でしょう。

「おい彩音、この前情報室で・・・・・・」

彩音は俺の言葉など聞こえないように部屋を出て行ってしまい、言葉がむなしく途中で途切れてしまう。

え? もしかして聞けてない?

聞けてねぇじゃん。だめじゃん。まるでだめじゃん。

 

 

そんなんで主人公だの復讐だのと・・・・・・

 

 

 

 

 

 

彩音がいなくなったと思ったら今度は瀬川がごねはじめました。この前の食事のときのことを根に持っているようです。

「もういいです。私みたいな近眼で冗談のひとつも言えない女と一緒にいるよりハッキングしてるほうが楽しいってことくらいわかってますよ」

もう、みのりちゃんたら拗ねちゃって・・・・・・ってちょっと待て。相馬に情報室のことを教えた瀬川が「冗談のひとつも言えない女と一緒にいるよりハッキングしてるほうが楽しい」って言ってるってことは・・・・・・

これ情報室にハッキングしたのバレてんじゃね? というか情報室にハッキングしにいくもんだと最初から思われてたんじゃね?

なかなか背筋が凍る発言でしたが、完璧にスルーしたまま選択支に移ります。

1、侘びに食事に誘う

2、ひたすら謝る

3、ちょうしこいてんじねェよッッッ

順当にいけば1なのでしょうが、相馬のひたすら謝る姿をテキストだけでなく出来ればCGで見たいので、ここは期待をこめて2を選択します。

 

 

こうなっては謝るのがイチバンだ。俺は床に身を投げ出し、みのりの前で土下座する。

されるほうにとってはひたすら迷惑です。しかも施設の廊下で。(・∀・)イイヨイイヨ!! (・∀・)ドゲザイイヨ!!

「はぁ・・・・・・今回だけは許してあげます」

「マジで?」

「ええ。もう透さんったら、彩音さんが気になるんならそう言えばいいのに」

「はい?」

話が飛んだよ。ライナーですっ飛んでいったよ。

拗ねたり怒ったり勘違いしたりと、忙しい人ですね。

「私はサポートですから、困ったときはちゃんとサポートしますよ」

サポートってそういう意味だったのか!!! そんなところまでサポートするとは、なんと福利厚生が充実した組織なんだ。とても外人部隊とは思えない

 

なんか勘違いされてるけど、「機嫌直ったからまあいいや」と誤解も解かずにいる相馬。いいのかそれで。

って突っ込む間もなく、後ろから声をかけられた。

 

「透? 透じゃないの!?」

 

恐る恐る背後を見ると、そこには・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「ああ! やっぱり透じゃない!」

 

 

 

「やっと私の出番だーーーって誰だこいつ!?目がイッちゃってるんですけど」

 

 なにはともあれ、とにかく月菜が現れた。V.S.Sのシュミクラムチームのパイロットになったらしい。すごい自慢してきた。そして何気なくその場にいた瀬川を追い払った。

なんかステッペンウルフのときに使っていたチャットルームに来いとか言ってきた。選択支は出ないらしい。

 

これまでの経緯を話すと、月菜はカードのようなものを差し出した。

「なんだこれ?」

テレレテッテテー。トオルハ、レベルツーアクセツキーヲテニイレタ。

「ありがとう村の長老。てかなんでお前がこんなのもってるの?」

「誰が長老だ! そんなのFLAKと共同戦線張るからにきまってるじゃない」

「じゃあ俺たちと同じレベル1でいいじゃん」

「そこはほら、私ってエリートだしさ」

「俺と同じ犯罪者上がりやんけ」

「言ってんじゃねェよ」

「松尾通れば道理も引っ込む。でもこれってバレたらヤバくね?」

 

「うん・・・・・・バレたら、クビかな」

 

 

「マジで! いや〜助かるわ。じゃ遠慮なく戴いていくぜ」

「少しは躊躇えコラ。もういいよ、さっさと情報室行って来い」

「いわれなくてもスタコラサッサだぜぃ」

 

 はたして相馬の運命は!?

  


第8話  俺の名はゲンハ

 

月菜からアクセスキーをもらった相馬。だがレベル2のアクセスキーをもってしても優哉の仇に関する情報は得られなかった。

これを利用してレベル3へハッキングを仕掛けたが、見事に失敗してしまった。

「ゆっくり攻略していくしかないか」

そんなことを考えながら情報室を後にしようとした時、情報室のドアが開いた。反射的に相馬はコンソールの陰に身を隠した。

「あれは・・・・・・彩音?」

情報室に入ってきたのは彩音だった。額にダーマトロードを付けているところを見ると、どうやら目的はハッキングらしい。

「・・・彩音?」

耐え切れず、綾音の後ろから声をかける。彩音は驚いた様子で、ゆっくりとこちらに振り返った。

「・・・・・・」

綾音の表情を見て、俺は掛ける言葉を見失ってしまった。画面から漏れる光に照らされた綾音の顔には確かに涙が浮かんでいたのだ。

口ごもる俺を無視して、綾音は足早に情報室を後にした。


俺はその晩、自室の端末からネットにダイブした。

「で、どうだったの?」

入室するなり、月菜がたずねてくる。俺はただ首を横に振った。

「そう。あんま役に立たなかったね、アクセスキー」

「別に月菜が悪いわけじゃないさ。それにこれからこのアクセスキーを踏み台に本格的なハックをかければいい」

「・・・・・・ねぇ、もうやめちゃわない復讐?ここまでやったんだもん。優哉も許してくれるよ」

「でも、それじゃ俺の気が収まらないんだよ。優哉は誰も殺そうとはしなかったんだぞ!なのになんで殺されなくちゃならないんだ!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

それっきり月菜は黙り込んでしまった。


 

「さあさあさあさあ盛り上がってまいりましたよーーーー!!!」

はいはいよかったですね

「だからなんでそうテンション低いんですか?」

「だって、相馬さん彩音ばっかかまってるじゃないですか。やってられっかって話ですよ。折角幼馴染っていうポジション確保してたのに」

 

 

 


今日は久々のお休み。でも相馬はハックもする気になれず、彩音のことを考えながら悶々としています。

 

  仇討ちに集中しなくては・・・・・・そう思いつつも彩音の謎めいた行動が気になって仕方がない。

戦闘への異様な執着、情報室での怪しげな行動・・・・・・彩音には何か重大な秘密があることに違いない。

当然それが何であるのか、俺にはわからない。

しかし、ハックを仕掛けるほどの危険を辞さないほど、それは彩音にとっては大事なことなんだろう。

たとえば、俺にとっての『優哉の仇探し』のように・・・・・・。

「やっぱ気になるよな〜」

公言できない秘めた目的、今の俺にはそれが他人事に思えない。

あのポーカーフェイスの裏側で、いったい彩音は何を思っているのだろうか?俺と同じく、時折訪れる激情に耐えているのだろうか?

そう思うと気になって仕方がない。思い込みだと自覚しつつも、そんな思いをとめることができない。

 

わかってるのに止められない。まるでお薬を服用してる人みたいだ。そのうち彩音のよだれを服用するようになるのでは?

真昼間からこんなこと考えて、まだまだ相馬は多感はお年頃のようです。

 

 

俺の後ろで、草を踏みしめる音がした。気になってそちらのほうに顔を向ける。 

「あ、すいません。起こしちゃいましたか?」

振り向くと、そこにはみのりがいた。

「気にしないでいいよ。それよりみのりは出かけないのかい?こんないい天気なのに」

「ええ、まあ・・・・・・カルラさんと洋介さんは出かけちゃったみたいですけど。残ってるのは彩音さんだけですね」

「彩音が?」

「(うわ、わかりやす)ええ、作戦室に入っていくのを見ましたけど・・・・・・」

こうなっては居ても立っても居られない相馬。作戦室に向かいます。

「あの・・・・・・相馬さん、どちらへ?」

 

「ちょっと作戦室に用事を思い出して・・・・・・」

どうせバレバレですよ相馬さん・・・・・・

 


作戦室という密室に男女二人。ここまできて最早相馬にできることは一つ・・・・・・

 

 

 

 

 

・・・・・はまだちょ〜っと早すぎたようで、軽い修羅場になってしまいました。彩音さん顔こえぇよ。

終始こんなん

これエロゲヒロインの顔としてはNGではないでしょうか?

そんなことを考えていたらいきなりアラームが鳴った。

「な!?こ、これは?」

「敵襲よ」

「わかってる。聞こえてるよ」

ムッとして答え、俺はある事に気がついた。

彩音は、なぜこんな絶妙なタイミングで作戦室に居たのだろうか?

今思えば、アラームを聞いたときの彩音の態度には驚きが感じられなかった。

「お前ら早いな。まあいい、テロリストどもの襲撃だ。早速ダイブしてくれ」

「了解」

今の時点では、とりあえず彩音といっしょにネットにダイブし、テロリストどもを殲滅するのが先決だった。


 

「今基地にいるのあんたらだけだから増援くるまでなんとかしろ」

もうすでに他小隊がテロリストと交戦中らしいが、ジャミングのせいでかなりの混戦状態のようだ。

よかった。FLAKは第一小隊だけじゃなかったんだね。

 

ってか何故相馬と彩音しかいないんだ? 他小隊の近くには送り込めなかったのか? それとも他小隊がまだ送り込まれてない防衛ラインに送り込まれたのか? あえて戦力を分散させたんだからそれ相応の理由があるのでしょうが、どちらにしても不安です。たった二人でなにをどうしろっつーんだよ。

「敵機確認・・・・・・追撃します」

「彩音さん!? 単独行動は危険です! 戻ってください!」

彩音はそのまま敵機を追いかけていってしまった。

 

 

って言ってるそばからお前は何さらしとんじゃ〜〜〜〜!!!

防衛しろっつってんのに何で基地から離れるの? 別に撃てばいいじゃん、銃持ってるんだからさ。あえてブースト使ってなんで別マップに行くのかな?

 積極的かつ無駄に戦力分散するなどという、少年誌の主人公を地で行くようなことしやがって・・・・・・べ、別に羨ましくなんかないんだからね!

 

まあ、今までの彩音さん見てれば当然の行動ですが、なんか冷めますね。こういうことされると(てかダルい)

そして彩音を追うために持ち場を離れる相馬の行動が当たり前過ぎてもう・・・・・・(何で持ち場離れんだよお前いなくなったら誰がココ守るんだよとか言いたいけど)

 

 

もう軍事的な要素は求めませんから、どうぞ続けてください。


勝手に突っ走った彩音。敵に捕まりました。とことんお約束

いや〜早かった。ホント早かった。

突っ走る→助け拒む→捕まる

これでもう彩音に立派な噛ませ犬属性が付きました。血統書ものですね。G3も威吹鬼もガタックも嫉妬してますよきっと。

しかもシュミクラムを脱いだ電子体とかいう状態らしくて、なんかもうかなりヤバい、どうみても史上最大の覚醒らしい。

 

 

そして彩音を捕まえた男、どうやら重要なキャラっぽいです。なんか威嚇してきました。

 

 

 

 

え・・・・・・?

 

 よく見てみよう

キサマ・・・・・・

 

ナニ出しやがったッッッ

 

 

チ○コを・・・・・・ポロッとね♡

エロゲだからチ○コくらい出てきて当たり前だけど、いやまさか立ち絵でチ○コが出るとは思いませんでした。

 

 

「てめぇ、危ネェじゃねえか! おちおち入れたり出したりも出来やしねぇ!」

「(お前のほうが危ないよ)キサマ、正々堂々と勝負しろ! このチキン野郎!」

「そうしてやりてぇが、今はナニがこの状態だ。俺の部下たちと遊んでな」

男の周りにシュミクラムが一斉に出現する。

「いいかお前ら! 俺が一発ヌキ終わるまでもたせろよな!」

「けっ! 弱ぇやつら・・・・・・一発ヌク間ぐらいもたせろっつーの」

この間にヌイてたら逆に笑えたんだが。


「仕方ねぇ、相手してやんぞ小僧。おい、俺のシュミクラム送れ、リャン!」

男の上げた怒号とともに多数のシュミクラムが現れ、相馬はたちどころに包囲されてしまった。

「おい! 誰が援軍送れなんて言った! 俺のシュミクラムはどうした!」

「うるさいゲンハ。何また馬鹿なことしてるんだ!」

「ゲンハ、帰還命令が聞こえなかったのか?軍の主力が来る前に撤退する作戦だったろう」

マイク越しにテロリストたちの会話が流れてくる。話から察するに、先ほどの男はゲンハ。オペレーターらしき女がリャン、そして最後の男が悪名高きクーウォンらしい。

「テロリストの親玉か」

これほどの兵力の前では俺の命運は決まったようなものだ。それならばせめて一花・・・・・・そう思い、俺はクーウォンに向けて銃口を定める。

 

 

 

死亡フラグが立ちまくリング・・・・・・って、敵は9、10体くらいしか確認できないのですが?先ほど10体以上ぶっ壊してきたのにあきらめるの早いよ相馬。主人公なんだからもっと自身持って、ほらしっかり。

それに最後に一花って言ってるところを見ると、えらい潔いですよね。自分で命運決まったもんだとか言いつつ全く慌てることなく、最後に一花咲かせようとする。あれ?なんだか相馬がかっこいいぞ?でもいきなりこんな覚悟見せられても違和感丸出しなだけなんですが・・・・・・

 

 

「少年よ、どうかその銃を降ろしてはくれないか」

「テロリストの言うことなんか聞けるか!」

「戦って死ぬのは君の勝手だが、そのときはそこにいる同僚の女性も死ぬことになるのだぞ?」

「卑怯者め・・・・・・」

自分の命は軽んじるけど、他人の命は重く扱う。おおお、なんだか相馬が主人公っぽくなっていくぞ。もちろん相馬も敵のシュミクラム壊してんだから人殺しじゃんか、っていうのをスルーしての話ですよ。

 

 

 

そしてテロリスト達は離脱していった。とりあえず基地は防衛できたので、そのまま相馬も帰還した。

「すまない、急いで駆けつけようとはしたんだが、間に合わなくて・・・・・・」

この野郎、相馬がどんだけ苦労したと思ってんだ。たった2人で防衛しろだの、相方が突っ走って、しかも捕まっちまうだの、なんか死を覚悟しちゃって最後に一花咲かせようとするだの、ホント大変だったんだぞ!わかってんのか!

「いや、仕方ないさ」

素っ気無ぇ〜。怒りもしないけど許しもしないと言ったところでしょうか。内心怒りを通り越して幻滅してますね。

 

 

俺たちは遠巻きに彩音のコンソールを見ながら話している。彩音のコンソールの周りを医療班が取り囲んでいる。

「はなして・・・・・・大丈夫だから・・・・・・」

医療班を振り切って作戦室を出ようとする彩音が、俺の横を通り過ぎようとした。だが彩音は足がもつれ、よろけてしまう。俺はとっさに彩音の体を支える。

「紫藤、命令だ。医務室へ行け。その後長官室に出頭。相馬、お前もだ」

「了解・・・・・・」


ココまでプレイしてみた感想

 

 

彩音のフラグが立った。とにかく立った。

フラグが立ってもテロリストたちは休日返上で働いているので、相馬たちもそれに付き合わされるようです。

 

「朝早くからご苦労」

早朝の作戦室に寝ぼけ顔の隊員達が集まっていた。

「今朝、I、V、Sインダストリーズのチップ製造工場がテロリストに襲撃された。今までなかった規模の襲撃が仮想世界、実世界の両方で展開している。現在、工場中枢は連中の制圧下にある。・・・・・・そして、これが連中の送ってきた犯行声明だ」

そういって隊長は視線を画面へと移す。そこには反チップ同盟のリーダー、クーウォンが映っていた。

「我々は政府と一部企業による、犯罪的な政策を民衆に暴露するため、今回あえてこのような非常行為に訴えた。今から12時間以内に政府は民衆に対し、脳内チップの機密部分の存在、およびその内容と目的を全国営チャンネルにて公開せよ。もし、当局が不遜にも、この要求を無視した場合、我々は工場の物理的破壊も辞さない。その際に発生する犠牲者の責任は政府当局にあることをあらかじめ宣言しておく」

 

すわっ!テロリストっぽ〜い

しかもこの男前の顔。さぞ女性の同志が入ってくることでしょうな。うらやましい限りです。

「なお、工場内には十万人規模の共同住宅、商業区域・・・・・・さらに地下核融合発電施設があります・・・・・・」

「マジすか。住民への避難勧告は?」

「なされていない。報道規制が行われている。おかげでパニックこそ起きないが、住民を人質に取られて形だな」

 

 

はぁ〜〜〜!!??避難勧告出してないの!?しかも報道規制!?

 

確かにパニックが起きたら大変だけど、この対処は後々批判されるよ。東海村の原発が事故起こしたけど、パニックを起こさないために黙ってました。っていうのと同じだぜこれ。当事者にとっちゃ堪ったもんじゃないよ!バレた日にゃ軍や政府には国民から非難GOGO!そりゃテロリストも出てくるわな。

 

 

「お前らの仕事は連中を制御機構内からいぶりだすことだ。準備が出来次第ダイブせよ」

さっそく電脳世界に没入する相馬。すでにテロリストたちの部隊が展開していた。

敵:10体以上

味方:相馬機・彩音機の2体

ま、どうってことないすけどね

 

 

 

「100人? クスクスクス・・・・・・俺にとっちゃァ4人だ」

主人公ですからね。これくらいやってもらわねば。

この人くらい

  

 

 

「相馬、紫藤、お前らが一番核融合炉制御プログラムに近い場所にいる。瀬川の誘導で向かってくれ」

「了解。行くぞ彩音」

「了解。・・・・・・待って!みのり、前方になにか反応があるんじゃない?」

「え!?・・・・・・は、はい!前方にシュミクラムらしき反応多数!」

彩音さんすげぇ!なんでわかったの?もしかして彩音さんはバーサーカーではなくニュータイプだったのか?

たしかシャリア・ブルさん

ここは勘ということで処理しておきましょう。てかまた戦闘がはじまりそうです。

 

このシュミクラム、見覚えがある。優哉を殺したシュミクラムと戦ってた奴だ。

 

 

「ようお前ら、元気にしてたか?」

 

ってゲンハ様かよ!!!!!

 ま、まさかこいつまた・・・・・・

 

 

 

そんなに出されたら、もはや別のゲームになってしまう!!だれか、だれかたすけて〜〜〜〜

 

 

「こらゲンハ!こちらはとっくに撤収したよ!!さっさと逃げないとどうなるかわかってるだろう!!」

「ちっ、そうだった・・・・・・あばよ坊や達!」

「お、おい!逃げるのか、待て!]

 

 

危なかった。マジで危なかった。テンキューリャン。今回は出さずに帰ってくれたか。

 

追いすがる相馬たちの前に、ゲンハの手下どもが立ちふさがる。

「どけぇい!」

だが時すでに遅く、テロリストは撤収を完了していた。

「相馬さん、彩音さん、急いで制御プログラムに向かってください!テロリストがウイルスを仕掛けていった模様です!」

「どうする?ゲンハを追うか?」

彩音はゲンハが立ち去っていった方向を見据えながら固まっていた。冷たい憎しみを込めた視線。彼女が抱えているのは、

この前味合わされた屈辱だけではない気がする。

「・・・・・・制御プログラムに急ぎましょう」

彩音さん成長したな〜(/∀`)てっきり「私はゲンハを追うから、あなたは制御プログラムに向かって」とかいうと思ったのに。

あ、そっちのほうがよかったかも・・・・・・

 

 

「テロリストの仕掛けたウイルスってのはこれか?」

核融合炉に着くと、そこには炉に向かって触手を伸ばすウイルスが何匹も張り付いていた。

「敵はこのウイルスで炉を暴走させようとしています。早く引き剥がしてください!」

「よし、実力で引き剥がしてやるぜ」

「任務完了。帰還する」


 

 

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